足が速いのはサッカーでは大きなメリットです。 どのポジションでも武器になります。
選手が集まりやすく、邪魔が多い中央にいるよりも、サイドにいるほうが足の速さを活かしたプレーができます。
足の速さにも、「走り出しが速い」場合と、走っているうちに「尻上がりに加速する」タイプがあります。
もし後から加速していくタイプだと特にサイドが活きると思います。
走り出しが速いタイプは、密集したところでもその力を活かせ、サイドも中央もよさそうですが、もし長い距離を走るのが得意ではない場合は、中央向きかもしれないです。
走るということを重視すれば、守備にも攻撃にも関わり、攻守の切り替えでカギになりやすいハーフが向いていると思います。
もしバックだとすれば、オーバーラップを武器にしてサイドバックが足の速さを活かせると思います。
トップだとすれば高い位置からプレッシャーをかけボールを取りに行く積極的な攻撃をしたり、相手ディフェンス裏をつく厳しいスルーパスにも食らいついていくプレーがができそうです。
足が速くなくても、その分スタートのタイミングを早くするとか、準備のポジショニングをよくすることで、いくらでもカバーできます。
選手が集まりやすいところでは、足の速さが活きないですし、むしろ判断の速さや、適切な判断力、プレーの正確さが重要になってきます。
サイドより中央で、準備の良さ、判断と動きだしの速さを磨いて、それを武器に活躍することを目指すのはどうでしょうか。
なまじ最初からスピードを持っていると、判断が遅くても問題が表面化しにくいので、周りを見たり判断力を磨くことを怠りがちです。
その結果、中学・高校になってみんなも成長し、身体能力の差が縮まったときに苦労する場合もあります。
サッカーにおいてキック力が活きるシーンは多いです。
ゴールキック、コーナーキック、フリーキック、ミドルシュート、クリア、サイドチェンジ、ロングパス等々、キック力が活きてきます。
ディフェンスに一人でもキックが得意な選手がいると、ゴールキック、クリア、ロングパスなどで便利です。
オフェンスに一人でもキックが得意な選手がいると、コーナーキック、フリーキック、ミドルシュート、サイドチェンジなどで便利です。
キック力は、ディフェンスでもオフェンスでも活かすことができ、重宝される存在になるでしょう。
チーム戦術に応じて、例えば堅守速攻なら、ディフェンスにいてロングパスや大きなクリア、サイドチェンジを期待される存在になるかもしれないです。
あるいは、中盤でミドルシュートやサイドチェンジを期待される存在になるかもしれないです。
そのポジションもキック力があるのは武器となりますが、キック力だけで十分なポジションはないので、そのほかのプレーもしっかり練習することが大事です。
できれば利き足だけじゃなく、逆足も同じくらい蹴られるようになると、プレーの幅も広がります。
たとえば、左サイドのコーナーキックは右足のほうが、ゴールに向かうボールを蹴りやすいですし、逆に右サイドのコーナーキックは左足のほうが、ゴールに向かうボールを蹴りやすいです。
キックによる負担軽減という意味でも、両足が蹴れるとバランスもいいです。
ところで、まだ体が成長途上で定まっていない小学生世代で、キック力に注力して練習するのはスポーツ障害などのリスクもあります。もともとキック力に自信があるという場合の話です。
キック力には自信がなくても、しっかりインサイドキック、インステップキックが蹴れれば、十分活躍はできます。キック力に頼らないプレーをすればいいだけです。
攻撃に関しては、ドリブルや、適切な判断力に基づくショートパスで周りと連携して、ボールを運んだり、相手を崩すことができれば、キック力に頼ることなく活躍できます。
ディフェンスに関しても、大きなクリアはできなくても、しっかり味方につないだり、プレーを切るだけならスキマを狙ってクリアができれば十分です。
飛距離はなくても、しっかりコントロールできるキックを練習しましょう。利き足だけじゃなく、両足ともしっかり蹴れると武器になります。
キック力に自信がないというだけで、ポジションが制限されることはないですし、好きなポジションでいいと思います。
たとえばトップなら、ゴール前に詰める役とか、キック力に関係なく活躍できるプレーはいろいろあります。
キーパーでも、ゴールキックを自分より蹴れる選手に頼めばいいだけです。
「3-3-1」のセンターハーフとか、2バックのときのサイドハーフは、運動量も多くなりやすく、体力に自信があるのは強みです。
とはいえ体力の前に、しっかりプレーができないと、そのポジションは取れないですね。
まだ体が成長途上で定まっていない小学生世代で、スタミナアップのためにランニング等に注力しすぎるのはスポーツ障害(ジャンパー膝、踵痛など)のリスクもあります。
ところでスポ少での経験的に、幼児のころから水泳をしていた子には、持久力のある子が多いような気がします。
サッカーのポジションの中で一番走らないのはゴールキーパーです。瞬発力には自信があるけど、持久力には自信がないという理由でゴールキーパーを選ぶ選手もいます。
ゴールキーパーはフィールダーとは違う固有のスキルも多いですが、その経験は後でフィールダーに転向しても活かせる部分も多いです。ボールから離れたところでプレーをより客観的に見る機会が増え、フィールドプレーヤーでは気づけないことにも気づくことができます。たとえばボールウォッチャーになりがちな味方ディフェンスに指示を出すことを通じて、自分がフィールドになった時はもっと注意できるはずです。
ゴールキーパーをやりたいという選手は案外少ないので、フィールド志望でも持久力がつくまでゴールキーパーで試合経験を積むというのも「あり」かもしれないです。
持久力はいずれつけることも可能なので、持久力の特性に関係なく好きなポジションを選ぶのも、もちろん「あり」です。
スタミナに自信がないからといって、ペース配分を考えてセーブしたプレーをしていると、力を抜くのが普通になりかねないので、まずは全力でプレーして、疲れて動けなくなったりプレーの内容が落ちてきたら交代するというのが、小学校の指導としてはいいのかなと思います。
ボールのある場所に積極的に行って、ボールを取ろうと頑張り、取ると前に蹴るか、ドリブルでの攻撃に夢中。ゲームの流れというよりは、自分の体力の都合で、ときどき足を止めてやすみ、攻撃にも守備にもボールのある所には体力の続く限り動き回るというプレーが多いと思います。
長所として、ボール奪取への瞬発力や、球際の強さがあります。 集中したプレーを長く維持できますし、期待感もあります。
一方で、ボールばかり追いかけて味方との連携ができなかったり、ときどき味方からもボールを取ったり、上手くいかないときは味方にも暴言を吐いて周りの気持ちを折ったりすることもあります。
(すこし脱線)
悔しさをあらわに出すのは、悪いことではないです。チームに正しく伝われば、緊張感やモチベーションにつながるはずです。しかし悔しさをただ味方にぶつけるようでは、チームの雰囲気が悪くなり、委縮したり・拗ねたり・切れたり、状況はどんどん悪くなってしまいます。
「戦う相手が違う」ということをしっかり伝えることが大事です。味方が相手に負かされたり・ミスしたときに、味方に腹を立てるのではなく、それでも相手に負けないように自分からサポート・カバーができる選手に導ければ、強すぎる負けず嫌いもチームのプラスに活かせるはずです。
「なんで、ぼくだけ、がんばらなきゃいけないの?」という問いかけには、「がんばった子だけが活躍できるし、そのほうがカッコいいし、楽しいでしょ?」と励ましてみるのもいいかも。そして「がんばっても、サポートに失敗して悔しい思いをするかもしれないけど、それはもっと上手になるために通るところだよ。プロ選手だって、何度も悔しい思いをして、上手になっていったんだよ。」とフォローするのでした。
「悔しさの矛先」や「味方との連携」を改善できれば、中心的な役割を担える選手になる可能性が高いと思います。
気の強い子が近くにいると、一歩引いてプレーを譲る傾向のある子には、カバーやサポートを指導することで、ボールだけに夢中になる段階を一足早く卒業できるかもしれないです。
ボールを持っていないときのポジショニングや準備をしっかりすることで、活躍できる楽しさを体験させることができれば、一気にモチベーションも上がると思います。
たとえば、味方と相手がボールを取りあっているとき、無理にボールを取りに行くのではなく、少し引いた位置で見守り、「味方が抜かれた直後のボール」や「こぼれたボール」をすかさず狙う(ディフェンスのカバー的な動き)とか。
相手ボールになった時に、一番守らないといけないゴール前の位置に戻るとか。(オフサイドラインを下げすぎないように)
逆に味方がボールを運んでいるときに、一番チャンスになりやすい、相手ゴール前で準備するとか。(オフサイドにならないように)
ボールに引っ張られることなく、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない時)のポジショニングやボディシェイプ(体の向きや体勢)などの準備を磨いて、成功体験と失敗体験をどんどん積み重ねていくことができれば、ピンチを救い・チャンスを決める頼もしいプレーヤーになれると思います。