団子サッカーの卒業までの変化と過程

団子サッカーでは、選手の意識がボールにほぼ100%注がれます。 「ボールしか見ていない」といっても過言ではないです。

ところで一見同じに見える団子サッカーも、子供たちの「動き」をよく観察すると、レベルの違いが見えてきます。

最初は「蹴りあうだけの団子サッカー」でも、やがて「相手をかわしてのドリブルもまじって」きます。
この辺りで、パスサッカーができるチームと対戦して、負ける悔しさを体験すると、次のステップアップへの準備になります。その「悔しさ」がパスサッカーにチェンジする動機になるからです。
団子サッカーがパスサッカーに勝てないことを試合を通じて分かれば、パスサッカーの練習もよりスムーズに進めることができます。



レベル1:ボールに集まり蹴り合う団子サッカー

ボールに集まり、子供たちはボールを蹴りあっています。
目の前に相手選手がいて、そのまま蹴っても相手にぶつかるだけなのに、それでもただ前に蹴るだけを繰り返します。 蹴り合いが続いているうちに、たまたまボールが脇にそれて、前に進むこともあります。

頭の中は、「ボールを前に進める」という思いだけです。
だから前に相手選手がいれば、力づくで前に蹴り合いです。 横にズラすという発想が持てるまでは続きます。



レベル2:ドリブルまじりの団子サッカー

団子サッカーの中にも、ドリブルできる子が交じってきます。
目の前に相手選手がいれば、横にかわすこともできるようになります。また少し視野もついて、相手選手がいないスペースにボールを蹴り出して進むことができてきます。
ボールを持っていない選手は、ボールホルダーを追いかけるように、ボールについていくので、相変わらず団子サッカーに見えます。

頭の中は、「ボールを前に進める」に加え、「目の前の相手を横にかわす」「スペースにボールを蹴り出して進む」という考えも持てるようになります。
これがプレーに反映し、ボールをキープする時間も増えます。でもまだ、ボールを持っていない味方選手が、スペースに先回りしてパスを受けるという発想はありません。



パスサッカーに負ける悔しさをキッカケに

団子サッカーのチーム同士の試合では、ドリブル上手なほうが勝ちます。

ところがドリブルがすごく上手になっても、団子サッカーのままでは、パスサッカーができるチームには勝てません。

パスサッカーに勝てない悔しさを幾度と味わうことで、「ドリブルが好きすぎてパスの指導に耳を貸さなかった子供たち」も、変われる準備ができてきます。

中には最初からパスサッカーに興味を持てる子もいますが、少ないと思います。
また、子供がパスサッカーに興味が無い段階でも、ちょっと無理してでもパスサッカーを教えるチームもあります。「ちょっと無理する」とは、話を聞かない子を叱ったりしながらという意味です。個人的には、子供たちがパスサッカーに興味を持ってからのほうが、集中力も高い練習ができると思うので、始めるタイミングは多少遅れても、遅れはすぐ取り戻せると感じています。



ボールを持っていない選手の重要性に気づく

「団子サッカー」と「パスサッカー」の大きな違いは、ボールを持っていない選手の動きです。

ボールを持っていない選手が、「ボールだけを見るボールウォッチャー」を卒業し、「パスが受けられ次のプレーにつながるポジションを見つけて動ける選手」に進化することです。
さらにパスコースを作る選手が一人だけじゃなく、何人かが重複しないように連携して、複数のパスコースを作れるようになるとさらにレベルが上がります。

ボールを持っている選手も、ドリブルコースを探すだけじゃなく、周りにできたパスコースを見つけて、タイミングよくパスを出すというプレーができるように進化することが大事です。
パスのコントロールや強さ、タイミングも繰り返し練習することで上手くなっていきます。また、パスの選択肢ができることで、ドリブルがより活きる場面もでてきます。

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