ヘディングと脳障害についての動き

2014年、アメリカでヘディングの訴訟

アメリカ・カリフォルニア州で、2014年にある保護者団体が、FIFAと米国サッカー連盟などを相手に、ヘディングの回数制限などについて訴訟を起こしたそうです。

それまでも時々話題になっていた「ヘディングの脳への影響」が、注目されるきっかけとなりました。

ところがその一方で、「さすが訴訟大国アメリカ。なんでも訴訟にするんだなぁ。」と揶揄して、あまり気に留めない人も多かったように感じます。

2015年、アメリカで10歳以下のヘディング禁止

2015年11月11日、アメリカサッカー協会が10歳以下の子どものヘディングを禁止すると発表しました。(11~13歳の子どもは練習中のヘディングの回数に制限を設ける。)

米サッカー協会傘下のユースナショナルチームやアカデミーに所属する選手が対象のため、アメリカでサッカーをプレーする選手の一部とのことですが、「禁止」というのは印象的です。

このときいろんな意見が出ています。

懸念の脳震盪は、ヘディングよりむしろ、選手同士の激しい接触のほうが心配などという意見もありました。

ちなみに日本サッカー協会では、このことを受けて特に対策はなかったようです。

イングランドサッカー協会の動き

2002年に重度の認知障害の末に亡くなった元イングランド代表FWのジェフ・アストル氏について、医師は「現役時代のヘディングによって引き起こされた慢性的な外傷性脳障害」という診断だったそうです。

ジェフ・アストル選手は、1942年5月13日生まれで、70年メキシコW杯にもイングランド代表で出場した名ストライカーです。
今の合皮のボールと違い、昔は重い革のボールが使われていたことも関係していたといわれてます。特に雨天時には水を吸って相当重くなったそうです。

アストル氏の遺族は「ヘディング脳」の調査・教育・治療を目的とした「ジェフ・アストル協会」を2015年に設立したそうです。またイングランドサッカー協会(FA)は2015年8月、アストル氏の遺族らによる脳障害についての訴えを受け入れたそうです。そして、2016年4月には、FAが「ヘディングが脳に与える累計的な損傷についての詳細な調査」を国際サッカー連盟(FIFA)に求めたという報道もありました。



子供からサッカーを続けても元気な人たち

ヘディングについて特に意識することなくサッカーに打ち込み、そして活躍する選手たちもたくさんいます。

そういう姿を目にしていると、あまり気にしても仕方がないようにも思えてきます。



子供たちのヘディングをどうするか?

JFAからの指示が出ていないうちは、従来通りヘディングも含めた指導でいいようにも思います。

でも気になる部分ではあるので、ヘディングをあまり積極的には練習しないほうが無難なのかもしれません。
でもヘディング抜きでは、セットプレーや、高さを生かした戦術には打撃ではありますが・・。

今後の動向を追っていくことも大事ですね。



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