言葉でイメージできるプレーをたくさん経験している大人なら、言葉だけの説明でもその内容を理解できるでしょう。
でもたとえ大人でも、発している人がイメージするプレーと同じ経験を持たなければ、説明しようとしている内容が100パーセント伝わることはないです。
まして子供の場合は、大人より国語力や、人の話に対する集中力もまだまだ発展途上であり、言葉だけでコーチのいうプレーを理解することはできないです。
いろんな失敗や成功を通じて経験を持つ大人なら理解できる言葉や説明でも、照らし合わせる経験を持たない子供にとっては、意味がない言葉や説明となります。
ところが説明しているほうのコーチは、「分かりやすく話しているのだから、子供に伝わるはず」と勘違いしていることが多いです。
聞いている子供たちも一部でも分かる部分があれば、それで分かった気になることもあるかもしれないけど、実際には「分かっていない」か、「分かっていないことにさえ気づいていない」ことも多いです。
だから「何度言ってもわからないな!」というコーチの言葉は、子供に落ち度があるのではなく、コーチの教え方に問題がある場合も多いです。
ピッチの中でサッカーのプレー中に必要な空間認識能力は頭のなかでは右脳の仕事だそうです。 仲間や相手のプレーヤの位置関係を把握したり、ボールを目で見て把握しているとき、右脳が一生懸命働いています。
今の状況を理解して、次自分が何をすべきか考える時、右脳の動きがよくなることで、もっと早い判断、あるいはもっといい判断を閃くようになれるはずです。
個人差もあるそうですが、一般的には言葉は左脳の仕事だそうです。
プレーを言葉で説明されたとき、頭の中では左脳でまず処理されます。 それが右脳で分かる「ビジョン」に変換されないと、説明は頭の中では「言葉のまま」です。
言葉ではなく、そのプレーを体験することができれば、「目から入ってきたシーン」や「体感した感覚」は、そのまま右脳で分かるものです。
一度体験したものなら、それに言葉で割り当てることで、次は言葉の説明でも通じます。
できないことが初めてするものなら、右脳で直接感じられる形、つまり体験としてプレーや判断に触れることが大事です。 初めてのことを言葉だけで理解させようとするのは時間の無駄かも。
言葉ではなかなか教えられないものだからこそ、「センス」なんて曖昧な表現で表したりするのかな。
「センスがある」とか「センスがない」とかというのは、案外教わるほうではなく、教えるほうの問題かもしれません。
練習用のドリルは、足さばきや体さばきのトレーニングにはなっても、どんなシーンで使う動きかを右脳がイメージできなければ、判断のための右脳のトレーニングにはならないです。
ゲームの中で、あらゆる状況の中で、判断を繰り返すことでしか、右脳のトレーニングはできないです。決められた動きだけをこなしても、決して絶妙なパスや判断の上達は見込めません。
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