「子供たち一人ひとりの運動能力は決して他のチームに比べても引けを取らないのに・・」
「相手のチームの戦術が、ウチのよりいいというわけでもないのに・・」
試合が終わってみると、負けている(勝てない)というのには理由があります。
2年生から3年生くらいになると、団子サッカーを卒業し、ポジションやパスを意識した組織プレーもできるようになってきます。この過渡期においては、組織プレーを優先するあまり子供たちの気持ちがポジショニングで余裕をなくし、ボールへの集中力が落ちて球際が弱くなったりということもあります。そのため意外とまだ団子サッカーをしていても、ボールへの集中力が高く・球際の強いチームのほうが勝ってしまうこともあります。
(もちろん過渡期を過ぎて、子供たちがポジショニングに慣れ、集中力・球際に影響が出なくなれば、団子サッカーはどれだけ集中力を高くしても、連係プレーには勝てなくなります。)
ポジションなどの戦術的なところにばかり目がいくと、子供たちのプレー中のプレーへの集中力・粘り強さとか、球際の強さとかを見落としがちになるので、注意を要します(とはいっても子供たちが戦術に慣れてくると自然に集中力・粘り強さ・球際も取り戻してきます。)。
また攻守の切り替えの速さも見落としやすい部分です。こちらは、意識的に練習しないと改善・向上しません。
攻守の切り替えとは、具体的にいうと例えば次のようなことです。
「自分がボールを取られたときに止まったりしないで、すぐ守備の動きができるかどうか」
「味方がボールを奪われたときに、即座にチャレンジ・カバー・マークなどを判断して、すぐに戻ったり守備の動きをとれるかどうか」
「味方がボールを取ったときに、即座にパスコースを作ったり、サポートに入ることができるかどうか」等々
切り替え時の一瞬の差で、プレーの成否を分けることは多いです。 切り替えが遅れると、相手にいいようにやられます。逆に相手より切り替えが早いと、プレーが面白いように決まるはずです。
攻守の切り替えのスピードアップには、練習が欠かせません。
「攻め」と「守り」が頻繁に切り替わる中で、即座に判断して動くことが求められる練習です。それには、キーパー無しの2対2(又は3対3)のゲームがいいと思います。
選手数が多いと、攻守の切り替えの時に休む選手がいてもなんとかなったりします。一方で2対2だと、2人しかいないので、どちらかが動きを止めることは致命的です。これほど「攻守の切り替え」の練習に向いた練習はないと思います。切り替えが遅いと確実に負けます。
一人プレーヤが増えることで、プレーの自由度がかなり広がり、戦術的な比重が強くなります。たとえば3人いればボールを味方どうしで動かして、相手を崩すような攻め方などもできますし、この対戦の勝敗を決めるうえで「攻守の切り替え」の比重が弱まります。
単純に「攻守の切り替え」の練習と考えれば2対2がベストだと思います。タイミングを合わせる味方が一人に絞れていることも、連携のタイミングを身につけるのにはいいかもしれません。
単純な「攻守の切り替え」がある程度できるようになったら、3対3に移行して、もう少し戦術的な要素も付加した練習をするのもいいかもしれません。
あまり早い段階で3対3にすると、上手い2人だけで戦って、1人はずっとプレーに関われないという意図する練習にならないパターンもあります。
ボールに対する集中力がまだ不足する場合、この練習の効果は期待できないです。たとえば2対2をしていてもしばしば集中力が切れたり、ふざけだしたりするようなら、まずは1対1から始めたほうがいいかもしれません。
性格的に控えめすぎて、ボールになかなか行けない子の場合も、1対1に興味が持てるか試してみるところから始めるのもいいかも。
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