ボールを追って・走って・蹴るだけ

ドリブルでも、パスでもなく、ボールまで走って、ボールに追いついたらただ蹴るだけのプレーを繰り返す子もいます。 サッカーを初めて間もない子とか、小学校1、2年生くらいまでの子にはよく見かける光景です。

走っているだけでも、すごく楽しそうです。^^

ボールに誰よりも先にたどり着いて、蹴ることができたことが、すごく嬉しそうです。^^

だから、それを繰り返しているんですよね。

前に人がいても、お構いなしに蹴って、ぶつかってボールがとんでもない方向に飛んでいくことも。

また、相手が目の前にいても、かわすこともなく、お互いに力任せにボールを蹴りあっていることも。

傍から大人の価値観で、
「もっとドリブルして・・・」とか
「ただ蹴るんじゃなく、味方にパスを・・・」とか
言われても、お構いなし。余計なお世話なのでしょう。

だから楽しいうちは存分に「走って」「蹴る」でいいと思います。 「走る」も「蹴る」もサッカーでは重要な「要素」であり、そこにモチベーションが向くことはいいことです。

いずれは、「走って」「蹴る」だけでは、満足できなくなるのですから。 そのタイミングを待つことも大事だと思います。



「走って蹴るだけ」の次へ

存分に「走って蹴る」を経験したら、次のステップに移るタイミングがきます。

「走って蹴るだけ」のサッカーは、「足の速さとキックだけ」が頼りです。

少しポジショニングのいい相手だと、すぐにボールを奪われてしまいます。

超えるべき壁(課題)の出現です。

そこで悔しい思いをしないために、ボールをなんとなく蹴るのではなく、ボールを動かす「方向」と「距離」をコントロールすることが大事になってきます。選択肢としては、

・相手が目の前にいるときはボールを蹴らずに動かしてかわす
・小さいタッチで自分で運ぶドリブル
・相手がいないスペースに蹴り出して走りこむ
・味方へのパス

等があります。どの選択肢でも、うまくいって、相手をかわせたり、ボールを運ぶことができれば、新しい喜びを体験できます。

その体験をすることで、もっと上手に「かわしたい」「ドリブルしたい」「パスを出したい」という欲が出れば、練習へのモチベーションとなります。

そして「かわすための足技・ボールタッチ」、「ドリブル」、「パス」の練習に集中できる下地となってきます。

とはいえ、練習だけでは飽きるので、ゲームを混ぜたり、ゲーム性のある練習をすることが大事です。

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ポジショニングのいい相手が変化のキッカケ

チームの上級生の子たちであったり、大会でより強いチームであったり。

あるいは、お父さん・お母さんなどの大人やコーチがそういう相手になってあげることもできます。

「走って蹴るだけ」のサッカーでは、通用しないということを知るには、実際にやられてみるのが一番分かります。

ただ大人相手だと、「大人気ない」「大人だから負けて当然」といった言い訳をする子もいるので、その場合には同年代のチームにやられるのが、一番分かると思います。

試合でコテンパンにやられた後に、叱るのではなく、どうして負けたのかを、試合での場面を思い浮かべながら説明してあげて、「走って蹴るだけ」の限界を教えてあげることです。



足の遅い子の気づきがキッカケになることも

「走って蹴るだけ」を繰り返しているうちは、足の遅い子はいつも後ろを追っかけるだけの存在となりがちです。

ところが、それを繰り返すうちに、あることに気づく子が出てくることもあります。

それは「追いかけると足の速い子に勝てないけど、先回りして ゴール前で待ってれば、ボールのほうから自分に近づいて来る」ということ。

そういう子たちが何人かで、ゴール前で待ち構えると、「走って蹴るだけ」では突破できなくなることもあります。

そういうタイミングこそ、「走って蹴るだけ」の限界を伝えるチャンスです。

コーチとしては、ディフェンスに先回りした子たちの「いい判断」を褒めるのも忘れられないところです。



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