隙間は狭くてもパスは通る

一見、狭い隙間でも、相手選手が走っているとき、体勢を崩しているときには、通すこともできます

一方で、一見広く見えたスペースでも、相手選手の準備がよければ、一瞬でパスカットされます。

パスのコースは、空間的な広さだけが重要ではないです。 間にいる相手選手のカットを防ぐには、相手の気持ち・体勢のスキを突くことが大事です(たとえばボールを通したいコースと違う方向に振り・崩しを入れるなど)。



パスが通らないコースを見分ける

グラウンダーのパスを出す時でも、目の前の相手なら上手くタイミングを外せば、相手の足元ギリギリのところをボールが通っても、カットされずに通せます。

しかし、自分から離れた場所では、事情が違います。 自分から離れるほど、ボールが着くのに時間がかかり、その分ボールカットできる相手選手の範囲が広がります。

小学生の走るスピードは50m走で遅い子でも10秒くらいです。つまり、1秒あれば5mくらい離れた子でも到着できます。小学6年生の速い子なら7秒弱なので、1秒あれば7mくらい離れた子でも到着してしまいます。
キックのほうはインステップキックの場合で小学4年生で12m/秒(キック直後1mの速さ)、小学6年生で16m/秒というデータを見たことがあります。
例えば小学4年生の場合、12m離れた味方にインステップでパスを出した時、ボールが到着するまでの1秒ちょっと(スピードはだんだん落ちるので1秒以上かかる)の間に、5mほど離れた相手選手も走ってカットに間に合うということです。

味方選手より、相手選手のほうが早く到着できる場所・タイミングのところにボールを出すのは危険です。 相手選手が今いなくても、カットされる場所があるので、そこを見分ける必要があります。

相手がいないガラガラの場所ならパスコースも簡単ですが、味方と相手が入り混じって動いている中で、瞬時にパスコースを見つけることは、それほど簡単なことではありません。 でも簡単じゃないからこそ、それができると大きなチャンスを手にすることができます。

どうやったら、パスコースを見つけられるようになるのでしょうか。

まずは味方と相手の動きを見ることが大事です。 その時の位置関係も大事ですが、選手たちがどの方向に動こうとしているのか?走っているのか?止まっているのか?というのも重要になってきます。

もちろんボールを受けてから見始めるのでは遅すぎます。 ボールを受ける前に、周りの状況を確認して、ある程度パスコースのイメージは思い描いておくことが大事です。

パスコースについては、ゲーム練習の中で「いけそう!」と感じたときに、実際に出してみることです。
パスを出してみて、上手くいったときは、次も狙って出せるように覚えます。
もし上手くいかなかったときは、どのようにカットされるのかを知ることで、それを自分の知識・経験にしましょう。

最初のうちは失敗を恐れず試してみることです。 コーチや仲間に叱られたとしても、自分の目で見ないと、理解はできません。
失敗したパスが、そもそもダメな場合もあるけれど、「実はコントロールやタイミング、スピードが違えば通ったのかもしれない」です。 これは実際に試してみた人にしか感じられないことです。言葉の説明だけでは理解できません



なぜ焦って相手にパスしちゃうのか

焦って慌てすぎて、相手にパスしているシーンも時々目にします。

オフザボール時のボールウォッチャー状態や、ボールキープ時のボールへの集中で、周りが見えていないことの表れです。
「相手のプレッシャー」と「なんとかしたい焦り」で、ぷちパニックというか、冷静な判断を欠いて、運を天に任せたテキトーキックにつながり、相手へのパスになっているようです。
あるいは、多少周りが見えていても、次にしたいプレーに固執しすぎて、対応しだした相手選手に意を介さず、半ば強引にパスして、取られるという場合もあるようです。
ほかには、単純に味方と勘違いして出すケースもあるようですが、これもしっかり確認ができていない証拠です。

周囲の確認をしっかりすれば、防げる失敗です。 でも「しっかり周囲の確認をする」という意識をゲーム中ずっと続けることって難しいんですよね。 よほど注意していないと維持できません。 その原動力となるのが、「絶対負けたくない!」という気持ちや、あるいは「責任感」、あるいは「連携を楽しめていること」だと思います。



パスが出せないときの行動

周りを確認したうえで、パスが出せない時もあります。 味方がパスコースを作れないときですね。 そのようなときは、変な奪われ方で、ピンチにしないようにすることが大事です。

自分が位置をズラすことでパスコースを探したり、ボールキープで味方がパスコースを作るまでの時間を稼ぐことができればいいですね。
でもそれが難しい場合には、ボールを奪われてもすぐピンチになりにくい、サイドのほうに移動していくのもアリです。(相手にとってもゴールから遠ざかるほうへの移動なら、リスクが減るので、積極的なプレッシャーをしない可能性もあります。)
相手が本気でボールを奪いに来て、キープも困難な時には、ピッチ外に出して一旦プレーを切るというのもアリです。

くれぐれも運任せなテキトーキックはしないように、クレバーなプレーを心がけることが大事です。 そのような姿勢なら、さらに成長できるはずです。



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